Q01: 現在53歳です。趣味で英語を始めたいのですが、遅いでしょうか。

Q02: 大手英会話教室で3年ほど英会話レッスンを受講してきましたが、なかなか伸びません。教室が悪いのでしょうか、それとも私に才能がないのでしょうか。

Q03: 日常会話程度の英語力をつけるにはどれくらいかかりますか?

Q04: グループ・レッスンとプライベート・レッスン、どちらがよい?

001: グループ・レッスンの特徴

002: 英語の発音について




A01: 語学を学ぶ時に、年齢がまったく関係ないとは、正直言い切れないところがあります。耳のトレーニングや単語の暗記力などは、若い頃から始めたほうが費やす時間が短く済む場合が多いです。しかし趣味の範囲として、会話が出来るようになりたい、映画を字幕無しで見てみたいなどの目的でしたら、問題ないと思います。大人の生徒さんには知識や経験があります。会話を通して共有できる情報も多いので、英語を「話す」だけでなく、情報を共有する「ツール」として英語を学んでいくことが出来ると思います。

語学力の伸びを実感するには、具体的な目的を持つことが大切です。勉強したいという強い意志があり、目的があれば、少々時間はかかる場合もありますが、何歳からでも語学の習得は可能です。70歳でもOK。勉強したいなら今すぐ始めるべきです!リスニングなども、時間はかかりますが、トレーニング次第で必ず伸びます。ただ「大学の英語教授になりたい!」くらいの目標ですと、若いうちから目的に向かってスタートしている人たちと競争せねばいけないので、かなり厳しいですが・・・。

年齢に関係なく、具体的な目標を設定し、それに向かって計画を立ててトレーニングしていけば、着実に伸びると思います。そもそも語学はコミュニケーションや情報収集の手段(ツール)として使えることが大切だと思っています。ですので、趣味の範囲でも「外国人の方と超簡単な会話が出来るようになる!」とか「ニューズウィーク英語版を読めるようになる」といった具体的な目的を立てれば、語学力の伸びも実感できると思います。

語学の勉強は、他の学問と一緒で「終わり」はありませんので、ただなんとなく話してみたい・・・くらいだと、目標が見えにくく、途中で方向性を失ってしまいます。貴重な時間とお金を費やすわけですから、それを有効に使えるように「強い意志」を持ち、伸びを実感することが大切です。


A02: まず、何年習ったかは問題ではありません。教室や自分の能力を責める必要もありませんが、フィードバックすべき点はいくつかあると思います。子供の生徒さんのケースは少し違いますが、大人の生徒さんの場合でしたら、まず1つ目に「目的設定をしたか」です。私は、目的を持って行われる活動には「目的−計画−実行−評価」のフローが必要だと思っていますが、このフローに従えば、目的設定がなければ評価することが出来ません。ですので、自分が目指すところをしっかりと持っているのであれば、まずは大丈夫だと思います。目的はちょっと背伸びをしたものでもかまいませんし、手の届く範囲でもOKですが、でも具体的にイメージできるモノのほうがいいと思います。

目的設定されていたとして、ではそれを達成するための計画。年、月、週の単位で目標を立てていきます。おそらく英会話教室で計画を立てていると思うのですが、計画に沿った授業を行えましたか。例えば、途中長期でお休みしたり、仕事の都合で月に何度かこれない日があった、などはありませんでしたか。語学は音楽と同じで、毎日の努力の積み重ね。長期でお休みしてしまうと、あっという間に忘れてしまいます。ちょっと話せるようになりたいと思っても、個人的な経験から言って、週1回の50分レッスンだけではやはり伸びが遅いです。せめて週2回(2時間)を3ヶ月、プラス自習の時間を出来る限り作れば、進歩がすぐに体感できるかと思います。ですので、もしレッスンをお休みした場合などがあれば、前には進んでいても、ペースが遅くなってしまい、実感するのがなかなか難しいです。

それでもやっぱり・・・と感じたら、目的が遠すぎたかもしれませんので、目的を立て直すことも可能です。語学力は伸びているけれど、勉強するにつれて、言語の奥の深さを実感し、勉強しても追いつかないと感じているのかも・・・。そうであれば、目的をもう少し身近なところに置き、プランを練り直すのもいいと思います。


A03: まず「日常会話程度」とありますが、この定義は人によって違うかと思います。実際、私が留学中も、学校の友達、教授、生徒の親などと会話をすることがありましたが、皆違う会話のスタイルがありました。会話の内容だけではなく、会話の相手によって、使う単語を使い分ける人もいます。ですので、マクドナルドに行ってハンバーガーをオーダーするくらいだったらいいのですが、実際に自分の思っていることを言葉に出してみる場合には、いろいろな言い回しができるわけです。ですから、レッスンでは「日常会話」としてしまうと、ちょっとあいまいなゴールかもしれません。「自己紹介」「挨拶」「料理のオーダー」「道案内」「天気について」など、より具体的に目標を立てることが出来るかと思います。

もう一つ、日本語とは違って、英語圏の方と会話を続けるには「自分の思っていること」を相手にはっきりと伝えなければなりません。よくアメリカ人は自己主張が強い、自分勝手だ、と思っている方もいらっしゃいます。それはアメリカという異文化が入り乱れた環境の中で、自分はこういう人間で、こういう考えを持っているのだと相手に伝えなければならないからです。日本のように、皆に共通した「常識」「マナー」がある国とは違い、彼らにはそのようなものはありません。自分が思っている「常識」は、他の国から来た人には失礼にあたる場合もあるのです。ですので、私はこういう理由でこう思う、という意見を伝える必要があります。「そんなの聞かなくても分かっている」と思うこともありますが、それは日本人だからであって、他の国の人には通用しないことが多いです。会話をマスターするには、自分から積極的に思っていることを口に出す練習をすることも必要です。

それを踏まえた上で、日常会話の英語を使えるようにするには、やる気、出来るだけはっきりした目標が必要です。あとはそれに向かって毎日コツコツ突き進むだけです。英語を話せるようになってからアメリカに旅行に行こう、では、なかなか話せるようにはならないと思います。そんな場合は今すぐアメリカに飛んでください。実際にアメリカに行って、どれだけ身振り手振りで通じるか、体験してみてください。まったく通じなくて悔しい思いをするかもしれないし、意外とカタコト英語で通じるかもしれません。「次に行くときまでに、ミュージカルの予約を自分でできるようになりたい」と思えば、それが目標になります。さらに、実際に旅行に行くことで「ペラペラ英語を話している自分」を想像しやすくなるかと思います。「私は年だから・・・」とおっしゃる方もいるようですが、年は関係ありません。時間はかかりますが、毎日やることによって、ある程度マスターすることができます。


A04: グループ・レッスンとプライベート・レッスン。どちらが自分に合っているでしょうか?たまにこのような質問を聞かれます。

生徒さんの性格や目的によって違ってくると思います。例えば、のんびりタイプの私が初めて英会話を勉強する場合でしたら、私ならこうします。

まずはプライベート・レッスンで、基本文法を自分のレベルとペースに合わせておさらいしていきます。

基本文法のおさらいが済んだら、それを実際に会話で使ってみる英会話のレッスンに入ります。これはプライベートでもグループでもOKですが、私ならグループ・レッスンで同じ目的を持った生徒さんと一緒にがんばっていくほうを選びます。英会話は中学校で学んだ英単語や文法で結構話せるのですが、どうしても「間違えてはいけない」「はずかしい」という気持ちに負けて、ついつい「私は話せない・・・」と思い込んでしまうところがあります。ですので、はずかしさを克服するためにも、グループ・レッスンに参加して、人前でどんどん積極的に発言するほうが効果的です。

そして、上級の一歩手前まで進み、ちょっと自信がついてきたら、その後はネイティブの先生について、発音や単語力、そして会話のスピードに磨きをかけていきます。目標はTOEIC満点。TOEICは簡単!と思えるようになれば、日常会話にはわりと不自由なく使える英語力がついたと言えるのではないでしょうか。

これはあくまで英会話を目的とした例。自分の性格や目的によっても違ってくると思います。


英会話をやっても続かない、英語力が伸びない、高い授業料を一括払いをしなければいけない。この3つについて、よく聞くことが多いです。これらの問題を考えつつ、私のグループ・レッスンでは次のことを特徴としました。

1. 英会話が続かないのは、リラックスしたレッスンスタイルだからでは?期間を決めて、毎日がんばってみてください。レッスンは1期間約3ヶ月。もちろん、宿題も出します。まずは3ヶ月続けてみてください。

2. 週2回、2時間弱のレッスン。英会話は週1回のレッスンだけでは絶対に伸びません。週1回のレッスンをこれだけの高い授業料で提供しているのは日本くらいではないでしょうか。私のレッスンは最低週2回。

3. リーズナブルな授業料。一括でも払いやすい金額にしました。週2回のレッスンでも、普通の語学学校よりも低価格。金額の損得よりも、勉強したことを確実に使えるものにしていくのが一番の「節約」。生徒さんにとっても、講師にとってもそれが一番やる気につながります。

グループ・レッスンに参加される方は、まず3ヶ月、出来るだけ毎日英語に触れることを「自分」と約束してください。


留学時代にいろいろな外国人学生を見てきましたが、学校のプレゼンテーションで素晴らしい発表をしているのに、あまりのなまりの強さに「何をいっているかさっぱりわからない」と嘆く先生方が多かったです。(そういう先生たちもインド系の訛りはあるのですが・・・。汗)特に、タイ人と日本人の発音にかなりの訛りが聞き取られました。

英語の発音が難しいのはなぜか。それは私たちが普段話している日本語が、他の国の言葉に比べて(発音に関しては)比較的簡単だからです。高低アクセントはあるものの、リズムや強弱はありません。それに比べて英語は、高低アクセント、プラス 強弱アクセントやリズムなども複雑に絡んできます。また、文章を読むときは、言葉一つ一つを切らずに、一気に発音すると、語彙のつなぎ目の発音がさらに複雑になります。

しかし、英語には日本語と同様に、ある程度決まったルールがあります。また学習教材も非常に豊富です。これらを利用して勉強していけば、他の言語(特にはっきりとした文法や教材が少ない中国語など)に比べると、はるかに勉強しやすく、分かりやすい言語だということが分かります。私たちは中学時代から英語に親しんでいるわけですから、発音をある程度クリアすれば、あとは普段から知っている単語を使うようにするだけで、すぐに話せるようになるというわけです。

語学をマスターするには、私は「知る」「聞く」「使う」の3点に焦点を絞ります。授業の英語は退屈だった・・・と思っている方も沢山いるかと思います。私もその一人。でも、この文法中心だった英語は非常に大切なものだと私は思っています。まずは授業で基本的な単語や文法を「知る」ことが出来たからです。

一度「知る」と、次に読んだり聞いたりするときに、その単語などを認識できるようになります。もし意味を忘れてしまっていたら、また辞書を引けばいいだけです。知らないと、脳は認識しませんから、よほど勉強熱心な方でなければ、そのまま「この単語はなんだろう・・・」で通り過ぎてしまいます。

ある程度認識し、意味が分かるようになれば、当然聞き取ることも出来るようになってきます。これはスピードには関係ありません。頭の中にフレーズが入っていれば、ちょっとのトレーニングでスピードが速くなってきても分かるようになります。

あとは最後の難関、「使う」です。私の学生時代の授業では、この部分が徹底的に欠落していました。今の授業でもいろいろ試行錯誤しているようですが、所詮試験や入試があるので、「使う」に焦点を当てた授業は難しいかと思います。しかし、実際に習った単語や文法を話すことによって、無理矢理頭に叩き込むよりも、自然に口から出てくるようになれば、入試の試験も比較的簡単に感じるようになるかもしれません。